他人と比べてしまうのはあなただけじゃない

「自分の人生を生きる」って、本当はどういうことなんだろう?「あの人はいいな。」「自分もあんなふうになれたらいいのに。」「あの人に比べて、自分は何もできていない。」SNSを見ていると、そんな気持ちになる。

周りの人がどんどん前に進んでいるように見える。

仕事で成功している人。好きなことを仕事にしている人。楽しそうに毎日を過ごしている人。夢に向かって進んでいる人。そんな人たちを見るたびに、「自分は何をしているんだろう。」「自分も何かしなきゃ。」「このままでいいのかな。」そんな焦りが出てくる。

そして、ふと気づく。「自分の人生を生きている気がしない。」

でも、もし今あなたがそう感じているなら、「やりたいことを見つけなきゃ」と焦る前に、少しだけ立ち止まってほしい。

もしかすると、あなたに必要なのは、「やりたいことを見つけること」ではないのかもしれない。


「やりたいことがわからない」のは、あなたに何もないからじゃない。

「自分のやりたいことがわからない。」

これは、たくさんの人が抱えている悩みです。でも僕は、「やりたいことがない」ことと、「やりたいことがわからない」ことは、全然違うと思っています。

本当は、小さな「好き」がある。小さな「嫌だ」がある。「なんとなくこっちがいい」という感覚がある。

誰かに言われなくても、「これ、やってみたいな」と思う瞬間もある。

でも、その上から、「それをやって何になるの?」「仕事になるの?」「成功できるの?」「周りからどう思われる?」「もっと意味のあることをした方がいいんじゃない?」そんな思考や他人からの声が被さってくる。

すると、自分の本当の感覚がわからなくなっていく。


僕たちは、いつの間にか「自分の人生」を他人の基準で測っている。

人生の中で、「自分はどうしたい?」よりも、

「普通はどうする?」「みんなはどうしてる?」「親はどう思う?」「周りからどう見える?」「成功している人ならどうする?」そんなことを考える時間が増えていませんか?

もちろん、周りを見ることは悪いことではありません。

人から学ぶことも大切です。誰かに憧れることも素敵なことです。でも、

「他人の基準で、自分の人生の価値まで決め始めたとき」僕たちは苦しくなります。


人と比べて苦しくなる本当の理由。

人と比べることそのものが悪いわけではありません。

問題は、「誰かと比べて、自分の価値を決めようとすること」なんだと思います。

「あの人より収入が低い。」「あの人より結果が出ていない。」「あの人には夢がある。」「あの人は人生を楽しんでいる。」「あの人には才能がある。」

そうやって比較して、「だから自分はダメなんだ。」と結論を出してしまう。

でも、ちょっと考えてみてください。

あなたの人生と、その人の人生は、そもそも同じじゃありません。

育ってきた環境も違う。経験も違う。価値観も違う。身体も違う。出会ってきた人も違う。見てきた世界も違う。

なのに、同じ物差しで比べようとしている。

それは、魚と鳥を比べて「どっちが高く飛べるか」を競わせるようなものかもしれません。


「自分らしく生きる」とは、特別な人になることじゃない。

「自分らしく生きよう。」よく聞く言葉です。

でも、「自分らしく生きる=自分の才能を最大限に発揮して、理想の人生を手に入れる」だと思ってしまうと、また苦しくなります。

もっとシンプルでいい。

僕は、「自分らしく生きる」というのは、今の自分を否定しないことなんじゃないかと思っています。ありのままを受け入れること。

迷っている自分。自信がない自分。人と比べてしまう自分。何がしたいのかわからない自分。失敗した自分。何もしたくない自分。

そんな自分まで、「こんなんじゃダメだ」と切り捨てない。

まず、「今、自分はこう感じているんだな。」と、そのまま見てあげる。

そこから始まるのかもしれません。


「もっと自分を変えなきゃ」という思い込み。

僕たちは、「今の自分では足りない」と思うと、自分を変えようとします。

もっと頑張る。もっと勉強する。もっと稼ぐ。もっと認められる。もっと魅力的になる。もっと成功する。もっと成長する。

もちろん、成長することは素晴らしい。挑戦することも素晴らしい。夢を追いかけることも素晴らしい。

でも、その根っこに、「今の自分では価値がない」という感覚があると、

どれだけ手に入れても、「まだ足りない」が続いてしまう。


何かを手に入れたら、幸せになれると思っていた。

僕たちは、「これが手に入ったら幸せ」と思いがちです。

理想の仕事。理想の恋愛。理想の収入。理想の生活。理想の自分。

でも、一つ手に入ったら、また次のものが欲しくなる。

そして、「もっと」「もっと「もっと」と追いかけ続ける。

そこで一度、問いかけてみたい。

「僕たちは、本当に足りないから幸せを探しているんだろうか?」

それとも、「足りないと思い込んでいるから、幸せを探し続けているんだろうか?」


自我は、「足りない自分」を作り続ける。

僕は、自我というものを、「自分を守るために必要なもの」である一方で、

「自分はこういう人間だ」というイメージを強く握りしめるものでもあると思っています。

「自分はこうじゃなきゃいけない。」「こういう人間でありたい。」「こう見られたい。」「こんな人生じゃなきゃ嫌だ。」

そうやって、自分の理想像を作っていく。

そして、現実の自分と理想の自分の間に差ができると、「まだ足りない」と感じる。

だからまた、自分を変えようとする。

この繰り返しが、苦しさを生み出しているのかもしれません。


じゃあ、どうすればいいのか。

「何もしなくていい。」という話ではありません。

夢を持たなくていい、という話でもありません。

成功したいと思ってもいい。お金が欲しくてもいい。誰かに認めてもらいたくてもいい。好きなことを仕事にしたくてもいい。もっと成長したくてもいい。全部いい。

ただ、「それがないと、自分には価値がない」というところから始めなくていい。

ここが、とても大切なんだと思います。


「自分の人生」は、どこかに探しに行くものじゃない。

僕たちは、「本当の自分」を探します。

「自分の使命は何だろう?」「本当にやりたいことは何だろう?」「自分らしい生き方は何だろう?」

でも、本当の自分がどこか別の場所にいるわけではありません。

今ここで、笑っている自分。悩んでいる自分。迷っている自分。誰かを好きになる自分。何かをやってみたいと思う自分。何もしたくないと思う自分。

その全部が、今のあなたです。

だから、「本当の人生を見つけてから生きる」のではなく、今起きている人生を、そのまま生きてみる。

それでいいんじゃないかと思います。


すると、少しずつ「本当にやりたいこと」が見えてくる。

自分を無理やり変えようとする力が少し抜けると、今まで聞こえなかった、小さな声が聞こえてくることがあります。

「これ、やってみたい。」「こっちは好き。」「これは違う気がする。」「今日は休みたい。」「この人と話したい。」「ここに行ってみたい。」

そんな、とても小さな感覚。

それは、誰かに評価されるための「やりたいこと」ではないかもしれません。

お金になるかどうかもわからない。成功するかどうかもわからない。人から褒められるかどうかもわからない。

でも、なぜか心が動く。

そこには、あなた自身の人生を生きるためのヒントがあるのかもしれません。


誰かになる必要なんてない。

「あの人みたいになりたい。」そう思うことはあります。

でも、あの人になる必要はない。あの人と同じ結果を出す必要もない。あの人と同じスピードで進む必要もない。あの人と同じ幸せを手に入れる必要もない。

あなたには、あなたの人生があります。

そして、その人生は、「完成した自分」になってから始まるものではありません。

迷っている今も、何もわからない今も、立ち止まっている今も、すでにあなたの人生です。


だから、焦らなくていい。

もし今、「やりたいことがわからない」と思っているなら、

無理に答えを出さなくてもいい。

もし、「自分の人生を生きている気がしない」なら、

まずは誰かの人生を生きることを少しだけやめてみる。

もし、「人と比べてしまう」なら、

比べてしまう自分を責めるのではなく、「あ、自分はいま人と比べているんだな」と気づいてあげる。

それだけでもいい。

自分を責めることをやめる。自分を急かすことをやめる。自分を他人と比べて評価することをやめる。

その先に、本来の自分の感覚が、少しずつ戻ってくるのかもしれません。


幸せは、「何者かになった先」にあるとは限らない。

「頑張らなくていい」ということではありません。

「夢を持たなくていい」ということでもありません。

むしろ、もっと自由に生きていい。ということです。

「こうならなきゃ幸せじゃない」という条件を、一つずつ外していく。

そうすると、今まで見えていなかった、今この瞬間にある幸せに気づけるようになる。

そして、

その「今ある幸せ」をたくさん体験していくことで、「もっと自分を大きく見せなきゃ」「もっと認められなきゃ」「もっと何者かにならなきゃ」という自我の力が、少しずつ溶けていく。

僕は、そんな感覚が、本当の意味での「自由」に近いんじゃないかと思っています。


あなたの人生は、もう始まっている。

最後に、もし今あなたが、「自分の人生を生きたい」と思っているなら、何者かにならなくていい。

やりたいことを完璧に見つけなくていい。誰かに認めてもらわなくていい。人と比べて、「自分は遅れている」と思わなくていい。

あなたの人生は、まだ始まっていないんじゃない。

もう、今この瞬間に始まっています。

だから、少しだけ立ち止まって、自分に聞いてみてください。

「本当は、どう感じている?」「本当は、何がしたい?」「今、この瞬間に幸せを感じられるものは何?」

答えが出なくても大丈夫。その問いを持って生きるだけでも、きっと何かが変わっていく。

誰かの人生ではなく、誰かの正解ではなく、誰かから見た「理想の自分」でもなく、あなた自身の人生を。


SNSで、さらに深く話しています

今回のテーマについて、

「自我とは何なのか」

「なぜ人は人と比べてしまうのか」

「なぜ、何かを手に入れても満たされないのか」

「本当の幸せとは何なのか」

そして、「自分の人生を生きる」とは、本当はどういうことなのか。僕自身の言葉で話しています。

もし今、「自分の人生を生きている気がしない」「やりたいことがわからない」「人と比べてしまって苦しい」

そんな感覚があるなら、ぜひ一度、動画を観てみてください。

▶︎ 動画はこちら

あなたが、「何者かにならなきゃ」という力を少し手放して、「今ここにいる自分の人生」を感じるきっかけになれば嬉しいです。


あなたへ

人生に正解はないのかもしれない。

だからこそ、誰かの正解を生きなくていい。

あなたの中にある、小さな「好き」。小さな「違和感」。小さな「やってみたい」。

その一つひとつを、大切にしてみてください。

あなたの人生は、あなたにしか生きられないから。

やりたいことで生きていくコーチ|にし